転職に有利な資格ランキングに騙されないで!

専門学校や通信教育会社が発表している「転職に有利な資格」という魅力的なキャッチフレーズ。
思わず飛びついてしまいそうです。

巷でよく耳にするのは次のような資格とその対策講座です。

・英語系(TOEIC対策や英会話)
・会計系(簿記や会計士試験)
・法務系(行政書士や司法書士)
・IT系(MOUSや情報処理技術者)

確かにビジネス系資格なので仕事に直結する場合もあるでしょうが、これらの資格を持っているから転職に有利になるかというと「???・・・」です。

ハッキリ言ってしまうと、専門学校が発表している「転職に有利な資格ランキング」って宣伝です。
自社の教材や講座の申込み数を増やす為に、あれこれ理由を付けているだけなので騙されないように気を付けてください。

採用担当者との本音トーク

質問1 履歴書の資格欄ってどれくらい重視していますか?

資格が必須という求人は滅多にないです。
数少ない事例をあげると、技術職でスペシャリストを採用したい場合のみですね。

質問2 経理や法務部門でも有利にならないですか?

資格より実務経験を優先します。
資格保有者が有利になるのは、書類選考レベルまでです。
つまり採用段階のファーストステップまでで、その後は人物像と実績次第です。
その反対に、資格がなくても実績豊富な人は選考に有利です。

質問3 しつこいようで恐縮ですが、TOEICの高スコアも意味ないですか?

TOEICの高スコアは好意的に評価しています。
ただし、英語は出来るけど仕事は出来ないという人もたくさんいる事は周知の事実です。
だから転職希望者のTOEICスコアもそれ程重視していません。
あくまでも目安です。

質問4 それでは一体、転職者を評価する時に何を一番重要視しているのですか?

各部署から要求される人物像に対するマッチング度合です。
一番重要視するのは、過去の経歴と人物像です。
周囲と同調して、期待している業務をスムーズにこなせるのか否かという事を見極めるのが我々の重要任務です。

質問5 面接で保有資格をアピールする効果ってないのですか?

書類選考上では多少有利になる場合もありますが、面接まで進んだ場合はほとんど意味がありません。
面接で資格を全面に押し出してくる人は、むしろ頭でっかちで柔軟性に欠ける人物だという判断をしてしまいます。
ですから、面接での資格アピールは止めた方がいいです。

「資格取得→転職」ではなく「転職→資格取得」に発想を切り替える

これから転職を検討している人にとっては、資格があったほうが少しでも有利になるという気持ちがあるのだと思います。
だから、転職に有利な資格ランキングという広告を見ると飛びついてしまうのです。

キャリアアップと年収アップに成功している人の発想は、凡人とは逆です。
成功者はやりたい仕事に近づける業務に転職してから、その業務に活かせる資格の勉強をします。
そうすれば、転職後の企業で期待以上のパフォーマンスを上げる事になる為に出世していきます。
そしてさらに良い条件の転職オファーとも巡り会えます。

転職エージェントを利用してみる

いきなり転職をしてしまうのはリスクが高すぎると考える人もいるでしょう。
そのような人は、まずは転職エージェントに登録してみるのがおススメです。
そしてキャリアアドバイザーにキャリア相談してみる事です。

転職エージェントには、企業が求める具体的な求人内容と転職希望者の過去データが集まっています。
だから、どのようなキャリア形成を心がけて、どのような資格を持っている人が有利になるかという過去の蓄積があります。

自分勝手な思い込みだけでキャリプランを練るよりは、よほどマシな結果がでる可能性が高いでしょう。

転職エージェントに登録したからといってすぐに転職する必要はありません。
2~3年は現在の職場に留まり、キャリアプラン通りの人生を歩む為の準備期間にする人もいます。
その間も定期的に将来転職したい求人に関する情報を受け取っていれば、より具体性が増すでしょう。

準備期間を十分取る為にも、在職中に転職エージェントに登録する事はおススメです。

転職を成功させる為の3つのルール

①キャリアプランを練る

「自分が進むべきキャリアがどのようにあるべきか?」という事を真剣に考えない限りはブレイクスルーは期待できません。
就職を考える時に大概の人は過去の自己分析しかしませんが、大切なのは「未来への自己分析」を徹底的に行う事です。
妄想でも構わないので、5年後・10年後・20年後をじっくり考えてみましょう。

②理想像を見つける

未来の理想的な自分のイメージが浮かんだら、自分の周囲で理想像に近い人を探してみましょう。
現在の会社の中だけでなく、知人から紹介して貰うのもいいでしょう。
SNSやブログ等のコミュニケーションツールを利用する方法もありです。
気配り十分で真剣な文章を心がけてコメントを送れば、意外と返事を貰えるものです。

③仕事上のキーファクターを教えて貰う

理想像となる人を見つけたら、まずはその人の考え方や興味のある事を真似してやってみる事です。
また、その人が仕事をする上で一番重要だと考えられるキーファクターを教えて貰いましょう。
そうすれば、資格が必要なのか?人脈が必要なのか?出世が必要なのか?分かると思います。

社会人が働きながら資格勉強をするというのは、非常に大変です。
資格を取得するという行為には、時間とお金がかかります。

それなのにただ何となく転職に有利になりそうだから・・・
というかなり曖昧な理由で資格取得の勉強を開始するのは止めましょう。

具体的なキャリアプランに沿って、必要であれば資格を取るというスタンスで臨む事が必要です。

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