介護業界の研究

3K職場という先入観は一回おいておいて。。。読んでみて

ハローワークでなかなか再就職先が決まらない中高年に介護職を紹介すると、「介護は嫌だ」とまともに求人条件を確認することなく断る人が結構いる。 「3K(キツイ・キタナイ・給料安い)職場」として敬遠されているようだ。

しかし一般企業から介護施設へ転職した人の話を聞いていると、悪い話ばかりでもない希望もある。
とある電機メーカーの営業マンだった田中真一さん(仮名)の話を紹介しよう。

電機メーカーの営業から介護業界への転職

田中さんは大学卒業後に営業マンとして電機メーカーへ長年勤務。
45歳の時に早期退職勧告を促されてしまいました。
会社側からハッキリと「来期から君の働く職場はない」と言われたので、やむなく転職活動を開始。

ところが中途募集をしている企業へ履歴書を送っても、書類審査でNGのケースがほとんど。
面接までこぎつけたのは、20社に1社ぐらいの割合。
さらに転職エージェントに登録しても、紹介できる求人がないと登録を断られるといったありさま。

この時ばかりは「もう俺は社会に必要とされていないんだ」という事を実感。
就職先が決まらない事が原因で不安障害を発生させてしまい、精神的にかなりきつかった時期です。

でも、精神病まで患ったことがキッカケで仕事観が一変。
「何故、いまだに電機業界に拘った転職活動をしているのだろうか?」という本質的な問題を真剣に考えるようになったのです。

・同業界のほうが転職しやすいだろうという安直な考え
・現在と同じ給料水準を維持したかった
・友人や家族への見栄

同業界で転職した方が、転職理由もスマート。
あわよくば年収も維持できるのではないかという甘い期待を抱いていたのでした。

でも普通に考えたら、45歳で転職活動している時点で駄目な男。
採用する側だって察しているだろうから、面接でいくら取り繕ったって駄目なものは駄目。

それに気が付いてからは妻に自分の現状を話し協力を求めました。
それからは心が軽くなったのです。
自分の中にあったよく分からないプライドを捨てる事ができた瞬間でした。

介護業界に興味を持ち始めた理由は、今後の市場の成長性。
少子高齢化で市場ニーズは確実にあるけど、ケア体制が十分でない事は明確。
第2の人生をこの業界に賭けてみても良いのではないかと思い始めたのです。

介護職に狙いを定めてからの仕事探しはスムーズでした。
完全に売り手市場。
施設管理者候補として数社から内定をいただき、地域性を考慮して今の会社を選びました。

私の場合は全くの未経験者なので、介護福祉士(現場)⇒ケアマネージャー(介護プランナー)⇒施設管理者とキャリアアップさせる予定です。

ただ、残念ながら年収は2割程度ダウンです。
でもこの業界で働き始めて分かった事は、定年という概念自体がないこと。
60代でも70代でもみなさん現役でバリバリ働いています。
というかそっちがマジョリティ。

前職では絶対に考えられない状況です。
そう考えると、これから稼げるであろう生涯収入は実は現職のほうが大きいという事に気が付きました。

【前職】650万円(前職年収)×15年(60歳定年)=9,750万円
【現職】520万円(現在年収)×25年(70歳まで働く)=1億3,000万円

これだけでも既に3千万円以上の差があるけど、実際にはもっと差が出る。
仮に前職に留まっていても、定年までの年収は下がる一方。
現職では着実なキャリアップが見込めて、年収が上振れする可能性は大。

獲らぬ狸の皮算用となる可能性はもちろんある。
だけども介護業界自体が成長産業だからつぶしが効くはず。
中高年になってから転職活動をする人は、目先の年収にこだわらずに長い目で考えたほうが良いと思いますよ。

【参考ページ】

助言
40~50代向け転職アドバイス
業界研究
中高年向け仕事探しのヒント

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